撮影した360度写真(パノラマ写真)をキレイにしてみよう

写真というのは誰でも沢山撮影していると思います。撮れば撮るほど「前回の写真よりもっといい場所を、キレイに撮れたらな」と思うんじゃないでしょうか。
オーノくんもその中のひとりです。
360度写真なんて誰がとっても同じじゃん、と思うかもしれませんが、実はふつーのカメラと同様、キレイに取るコツ、キレイにする方法というのがあるんです。
今回は、THETAやスマートフォンで撮影した「完成したパノラマ写真」の加工について説明します。

どうしてキレイにしたくなるか?

まず下の写真2枚を比較してください。


上の写真は撮影したばかりの状態です。下の写真は画像加工ソフト(Photoshop)で加工をした映像です。
1つ目は、明るさ、コントラストが変わって、逆光で見えなかった森の中、展望台の日陰部分など、暗いところも鮮やかになって見やすくなります。
2つ目は、よく見ると足元に自分の影が写り込んでいるし、展望台下に人が写り込んでいて、このときはそこにいた人たちに撮影許可をもらったわけではありません。無許可なので、写り込んだ映像ではGoogleマップに掲載できません。
3つ目は、太陽の下を見てください。レンズの仕様上、どうしてもレンズゴーストフレアが発生し、小さい太陽みたいな明るい点が付いてしまいます。THETAの場合、この点が「赤」になります。
4つ目は、スマートフォンによる撮影の場合、1枚のパノラマ写真の撮影のため、数十回のシャッターを切り、スティッチ(つなぎ合わせ)処理を行う工程で、レンズが回転中心をはずれて撮影した映像があるところが、どうしてもガタガタになってしまいます。今回の例では、常夜灯の先端ちょっと下の部分が、思いっきりちぎれていますよね。
この「4つの問題」については、撮影した写真を加工することで解決できるんです。

もちろんカメラ単体で努力はしてくれます

360度カメラのRICOH THETAは、このような「鮮やかで、暗いところも明るく撮影する」機能として「HDR合成」という機能があります。以前書いた「THETA撮影の基本手順とコツを教えます」で書いていますが、少しおさらいします。
画像加工を行わなくても、カメラで撮影した画像が最初からキレイであれば何も画像加工をする必要はありません。EV値と、HDR合成をうまく組み合わせることで、1つ目と4つ目の課題は回避できますよ。

アプリ「THETA」の機能のHDR合成を行えば、先に説明しました写真の下側のように、明るく、鮮やかな映像になります。
スマートフォンのストリートビューアプリに付いている撮影機能で撮影した場合は、この設定ができないため、晴天で撮った映像はどうしても太陽側が暗くなり、地面や太陽と反対側が明るくなる傾向があります。
ただし、THETAの場合は、どうしても三脚を設置するため、真下を見ると必ず三脚の足が映り込んだり、自分自身のアタマが写り込んでしまうんです。
THETAでも、地面を加工したり、写り込んでしまったクルマのナンバー、無許可で写り込んだ人、個人を特定できる情報を消す必要があるので、どうしても掲載前に画像加工をする必要があります。

画像加工をしてみよう

下記4点の作業を見てみましょう。

  1. 明るさを補正する方法
  2. 足元や不要な部分を消す、目立たなくさせる
  3. レンズフレアの消去
  4. ガタガタを直す

1.明るさを補正する方法

Photoshopを用いますが、明るさ、コントラストや色彩を変えることができるフリーソフトでも対応できます。
膨大な画像数を取り扱っているオーノくんが効率よく、手早く行っている手順は以下の方法です。
晴天などで明るい場所に光量が合ってしまい、暗いところが多い場合は「HDRトーン」という機能を使うと、難しい設定をPhotoshopが自動でやってくれます。

HDRトーン処理で対応する場合

オールマイティに高架を発揮する方法です。
下記のようにイメージ/色調補正/HDRトーンを選択して、実行するだけです。もし、不自然に明るすぎたり、淡い色になってしまう場合は、設定値(パラメータ)を補正すると自然な仕上がりになります。

シャドウ・ハイライト処理で対応する場合

森の中を撮影したときに特に発揮する処理で、薄暗いところは明るく、明るいところは暗くするという優れた処理を自動でやってくれます。イメージ/色調補正/シャドウ/ハイライトを選択して、実行するだけです。極端に処理がかかり、白っぽくなる場合は、一番上のスライダ(シャドウの値)で調整するだけで補正がかかることが多いので、簡単に処理する場合にオススメです。

 

2.足元や不要な部分を消す、目立たなくさせる

足元の影を消したり、レンズフレアを消す方法は基本同じです。
Photoshopの「スタンプツール」「ブラシツール」「ぼかしツール」を使うと効果的に、それなりに画像をキレイに処理できます。
パノラマ写真の加工の難しさは、極座標部分、つまり下と上の「極部分」が画面の幅一杯に拡大されている(正距方位図法)ことです。
小さな三脚だと思っても、画面下一杯に広がって、非常にみっともない状態になっています。自分の影も同様で、何だか不自然な黒いやつが付いています。
炎天下で一眼レフで撮影した映像にも、よく三脚の影が写り込んでいますよね。

消し方

イメージ/画像の回転/180度を選択します。

次に、フィルター/表現手法/極座標を選び、「直交座標を極座標に」を選択します。

 

 

 

すると、下のように楕円の画像になり、地面を眺めているような形になります。これで地面の加工がしやすくなりました。自分の影が小さくまとまったのがわかるかと思います。

消し方ですが、スタンプツールを用いるのが一番簡単です。
この写真の場合は、芝生なので、近くの芝生の画像をスタンプツールを使ってコピーし、影になっている部分へペタペタと貼付けしていきます。

ちょうど影のあった部分の拡大です。
かなり適当に行っても、後で見るとどこを直したのかすらわからなくなるほど、キレイに消すことができます。
最初は要領がつかめないかもしれませんが、何度か行うとすぐになれます。

 

 

 

 

 

加工後、フィルター/極座標の設定で「極座標を直交座標に」を選択することで、元の画像(正距方位図法のような写真)に変わります。180度ひっくりかえせば、完全に元の映像に戻ります。
この手順をアクションに保存し、ワンボタンで動くようにしておけば、比較的ラクに画像処理ができます。

3.レンズフレアの消去

レンズフレアは、2,の作業の基礎部分だけで対応できます。スタンプツールを使って、太陽下にあるフレア部分を消せば良いので、できる限りフレア周囲と同じコントラストの空をスタンプツールで吸出し、貼り付けてください。

4.スティッチ失敗のガタガタを直す

撮影ミスで起きた、スティッチのガタガタ部分を直す要領も、大半がスタンプツールで対応できます。まず、スタンプツールの輪郭がしっかりしたスタンプで大まかな部分を移動・貼り付けします。

大雑把に貼り付けた状態がこれですね。

 

 

 

 

貼り付けた後は、小さいスタンプツールを用いたり、ぼかしツールを使うなどして、輪郭をなじませてください。
パノラマ写真は解像度が幅5000~12000ピクセルと非常に大きいので、このような拡大部分、20ドット程度の小さな画像については程々の訂正でも十分見栄えが良くなります。
あまり神経質になる必要はないと思います。

 

 

この手順で訂正を加える前のままと、加工したものを並べてみます。太陽下のフレアが消え、街路灯のひずみも取れ、展望台や林も鮮やかになったかと思います。
この日は、下の画像までは鮮やかではありませんでしたけど、目に入っていた映像は上の画像より下のほうが近かったですね。人の目は、林を見つめた場合は明るさがそこに合って、暗いところを明るくしつつ、周囲の眩しい部分をボカして脳内組み上げしているので、いわゆるHDR撮影された下の映像のように組み上げて理解しているようですね。この写真は、半田市任坊山公園にある「みはらし広場」の「任坊山展望台」です。

掲載している画像は、より自然に近いコントラスト比に加工して掲載しました。ストリートビューであるきながら、展望台に上がることができます。

トーコとオーノくんは、1年以上撮影、掲載を続けた結果、最初の頃に撮影・掲載していた映像が暗く、適当すぎたことを後悔しています。末永く残る映像だと思いますので、是非、最初からキレイに撮り、掲載しては如何でしょうか。