THETA撮影の基本的な流れについて

一般のカメラと異なり、スマホとTHETAを繋いで撮影、Googleマップへ掲載します。まず、撮影のごく基本的な手順を説明しておきます。
使い込んで経験したトラブルと対応についてもメモしておきます。

THETA起動

スマホの「THETA S」アイコンをタップして起動します。インジケータが点灯し、WIFIインジケータ点滅している状態になります。

スマホアプリ起動

スマホの「THETA S」アイコンをタップして起動します。

 

 

 

 

THETAとスマホが接続されると、THETAのリアルタイム映像がスマホで確認できます。
ここでTHETAとスマホがつながらないことが多いのですが、一番簡単な接続は、THETA電源を落として、スマホのアプリを全て落として、再起動したあと、最初に戻ると良いです。
WIFIの手動操作による再検索や、再接続操作でWIFI接続を行って繋がったためしがありません。

あとは簡単。スマホの撮影ボタンをポチッとするだけ。 風景を撮るのなら、どこかに隠れましょう。ロット(生産されたTHETA固有)のばらつきもありますが、アタリTHETAの場合は軽く10メートル以上離れていてもシャッター切れます。

撮影を行った後、基本設定にて「撮った画像をスマホ転送モード」にしておくと、撮影直後にWIFI経由でスマホへ撮影画像が転送され、その場で確認ができます。
ダウンロードされた画像はその場でぐるぐる写真として確認できますが、デバイス内に保存された画像はいつでもデバイス内内蔵画面で確認できます。

転送後の写真は、スマホのOS、機種により異なりますが、Andoroidの場合はフォトフォルダ内のRICOH THETAフォルダに格納されています。

後にGoogleストリートビューアプリでGoogleマップへパノラマ写真をアップロードする際にこのフォルダ内の写真を使用します。フォルダ名称を確認しておきましょう。

撮影する写真の数や、撮影する場所を選ぶ

THETA撮影+Googleストリートビューで閲覧するための流れなので、愛知県知多市新舞子にある、新舞子児童遊園地を参考で説明します。

Googleストリートビューカーが撮影した道路のブルーラインと、撮影する施設が接近している場合は、交通の安全に気をつけて、ブルーラインに近いところから1点ずつ、3~5メートル間隔で撮影していきます。

撮影する前に、Googleマップと実際の公園を比較して、どのように歩いたら施設全体が見渡せるか、ブルーラインとつながるか考えておきます。

パノラマ写真を複数点撮影することで、Googleマップへアップロード(掲載)した後、撮影したパノラマ写真の点と点を結ぶことで、ブルーラインと同様ストリートビュー映像がつながり、写真を歩いているように切り替えることができます。
実際に撮影してある場所で説明します。
スマホのストリートビューアプリで確認すると、以下のように撮影しました。道路沿いの危険でない場所から撮影を開始して、ジャングルジムの中から撮影するまで、合計6枚撮影して以下のように連結しました。

ぜひ、複数箇所の撮影をオススメします。

実際に撮影掲載した場所をぜひ確認してみてください。距離が空きすぎず、近すぎずという距離が、5メートル前後であることを確認してください。
上の画像の(1)の場所が、下の映像の場所にあたります。

THETAでキレイな撮影を行うためのコツ

屋外撮影を行うときは、大半のシーンで地面と空、影と炎天下の光量が異なり、適当に撮影するとバランス良い映像が撮れません。
曇り空で撮影するときは太陽光の加減を考える必要がありませんが、清々しい景色を撮影できません。ぜひ青空での撮影をおすすめします。
晴天の撮影のコツは、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)モードを適宜使うとキレイな映像が撮れます。
HDR撮影の切り替えは、THETA操作画面の下記部分で行います。Autoモードの時、画面下、右側ボタンが「OFF」になっています。ここをタップしてから、表示される選択ボタンを左にスライドして設定を変更、HDR合成を選択します。


特に効果的にHDRが働く時は、眩しい景色と暗い景色が混じっている場合です。
例えば、炎天下の空と、暗い木陰、建屋の影、屋根の裏側などが混じっている景色や、玄関の間口で外光と暗い室内を同時撮影する場合です。外が直射日光の炎天下で、薄暗い室内と同時に撮影する場合は、絶大な効果を発揮します。
寺院の撮影はHDR合成を利用するとキレイな撮影ができます。
HDRは通常のカメラでも行える「ブラケット撮影」による数枚の露出の異なる映像を合成して1枚の写真を仕上げる技法で、明るい画像エリアを少し暗く、暗い画像エリアを明るくすることで、画像全体がほどよく明るく見えるモードです。

THETAでHDRモードで撮影する場合は、瞬間ですが3枚撮影を行います。暗いところでの撮影は、3枚目の明るい画像撮影でもたつきます。また、合成作業をする時間が通常撮影より15秒ほど余分にかかります。
また、夏場炎天下でのHDR合成は、撮影画像を合成する処理でTHETAが非常に高温になり、WIFI通信が不安定になります。定期的に冷まして使いましょう。

露出設定について

シャッターボタン画面の左側に表示されている露出値「EV」は、撮影した写真の明るさを決める、非常に重要な設定になります。

EV値は、今までの経験上、明るくても暗くても、常に+0.3がベストです。
やや暗めで撮影して、Photoshopでカラー・コントラストを調整して最適な画像にすると良いです。夕暮れの場合は、+1.0程度にします。
EV値は0にしておくと、木陰が真っ黒になったり、青空で撮影した写真ですら、THETAの仕様だと思いますが、やや暗めの写真になります。撮影を開始した2016年11月~12月までは、EV値を触らず撮影してきたため、全体的に暗い写真になってしまいました。
常滑市の本宮山になりますが、下記のように木陰がかなり黒ずんだ写真になります(目で見たとおりにしっかり再現されているとも言えますが)。

なお、スマホで撮影する画像を見ていると暗めに見えてしまいがちなので、ついついEV値を+1.0以上にしたくなります。しかし、暗いところでも明るい部分が白飛びするようになります。星空の撮影など、特殊な撮影以外は使用しません。

炎天下(直射日光)の工夫

THETAを用いた炎天下(直射日光)の撮影は、レンズがちょうど日陰になるところを選ぶと、青空が澄んだ色になり、大変美しい映像が撮れます。
下記例を御覧ください。
電柱で直射日光が遮られるように撮影しました。これにより、直射日光下の白い建物の壁が真っ黒にならず撮影できます。
THETAは大変優秀で、直射日光のある側の写真と、そうでない写真を境目なく合成する能力を持っています。よりキレイな合成にするためにも、日光下での撮影も、出来る限り2対のレンズの明るさの差を減らすよう配慮します。

炎天下でレンズ部分を木陰にイレルことができない場合は、日光をTHETAの長辺方向(魚眼レンズの向きに対して90度側)へ持っていくと、光量がバランス良く撮影できます。

THETAは360度カメラのため、「どこが前」という概念がありません。後でフロント位置を変更できるので、撮影の時は太陽の向きがどこにある、ということを考えて撮影すると良いです。

スマートフォンのTHETAとのWIFI接続についてのコツ

不安定になる原因と対策

スマートフォンとTHETAの接続は本当に不安定です。官能的な分析に過ぎませんが、通信が不安定な原因は本体が熱くなったとき、WIFI回線が飛び交っている町中、スマホのアプリが立ち上がりまくっているときではないかと思っています。
まともにつながることの方が少ないくらいです。

接続のコツは、スマホのアプリをすべて落とした状態で、THETAアプリを開くと良いです。

夏場は、数枚撮影しただけでTHETAが高温になる上に、スマホもTHETAとの通信処理でかなり高温になります。
THETAでHDRモードで数枚撮影し、WIFI経由でスマホへ映像を転送ただけで、発熱が原因と思いますが、スマホ接続が不安定になります。 1枚撮影して、スマートフォンとTHETAをOFFして次の撮影場所まで数分歩く、という動きを続けると良いです(良い運動になります)。

なかなかつながらない場合は、スマートフォン、THETAとも電源を落とします。THETAはすぐ起動するので、THETAを休ませている間にスマホを再起動し、THETAを起動しましょう。

THETAのリモート距離について

機種によりTHETAとスマホの撮影可能距離にはブレがあり、今まで6台使用してきました。
良いロットだと10メートル離れていてもシャッターが切れますが、仕様上は5メートルくらいです。
10メートル離れると、シャッターが切れた音が聞こえなくなりますので、切れたかな?と思って近づくとシャッター音がすることもあります。

スマホアプリについて

2016年11月からRICOH THETAスマートフォンアプリを使っていますが、アプリは日々改良されており、Androiod、iPhoneともアプリの出来(通信、安定性)が良くなりました。

2017年10月現在のバージョンは、ユーザインターフェイスが大きく変更され、右下に撮影モード切り替えスイッチを配置したことで、右手で操作していると知らないうちにオートモード撮影がマニュアルモードになっていることがあり、撮影したパノラマ写真が失敗していたことがあります。

 

 

注意事項

THETA転倒に注意

別記事でも書きましたが、THETAの撮影は軽量で長く、細い一脚を用いることが多いので、すぐに倒れて、レンズが破損します。
風が強い日、地面が傾いたところはオススメしたくありませんが冬場の強い風は避けられないと思います。 転倒予防のため、一脚の底辺部分が重い一脚を使うと良いです。私は一脚の下に重り(上水道用の巨大なナット)を付けています。これを付けてからは、一度も倒したことはありません。

 

THETAの電池の持ち

撮影、HDRを比較的多く使い、都度WIFI転送を行い、電源入切を頻繁に行って次の撮影ポイントへ移動を続ける場合は、50枚程度で切れます。
インターバル撮影(指定した秒数単位、自動でシャッターが切れる)で200枚程度になります。
夏場は電池の消耗が早い気がしました。
THETAの仕様が変わったようで、現在は携帯バッテリーをTHETAに接続しながらの撮影も可能になりました。

THETA内のファイル削除

本体メモリが8GB、最大解像度で1枚あたり4MB前後なので1500枚程度は撮影できますが、PCへバックアップを撮ったら早めに消しましょう。撮影しようと思った時に一杯になることがあります。

夜景の撮影

THETAの初撮りで感激したところですが、夜景の映像はノイズが入るものの、比較的キレイに撮れると思います。
マニュアルモードにすると、通常のカメラと全く同じで、シャッター速度、ISO値、ホワイトバランスの設定が全て手動で行えます。
シャッター速度を変更して、数秒開放(場所によりますが、比較的郊外の町であれば3秒~10秒はほとんど同じ画像、10秒を超えると白くなる)すると、夜空の星が見える、地面が明るく、明るい夜空の映像が撮れます。
ISO値を上げるとノイズが入るので、THETAはもともとノイズが乗りやすいため、私は800以上は使っていません。
ISO値は下げ、出来る限りシャッター速度で調整すると良いと思います。